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遠心力鋳造法とは?製作をする製品と加工品の特長

2024.04.12

加工技術について

1.鋳造について

鋳造とは、金属加工法のひとつで、鉄やアルミ、真鍮などの原材料を熱して液体状にした後に型に流し込み、冷やして製品形状に固める加工法です。これが一般的な方法ではありますが、精密な製品を成形するための鋳造法となると、特殊な工法がいくつか存在します。

今回は、その中でも遠心力を活かして精密な鋳造品を成形する「遠心力鋳造法」という工法をご紹介いたします。下記では、遠心力鋳造法についての解説と、具体的な成形品事例をご紹介いたします。

大型の特殊形状を持つ製品のコストダウンや、高精度化を求める企業様で、サプライヤー選びに困っている方がいらっしゃいましたら 是非ご一読ください。

2.遠心力鋳造法とは

遠心力鋳造法とは、型を水平軸、もしくは垂直軸に回転させ、その際発生する遠心力を利用し、緻密な鋳物を製造する方法です。

工業関係では主に水平軸に回転させる方法が多く使用されています。遠心力を利用する方法ですので、円筒型の鋳型であれば、中子を用いずに円筒状の製品が製造できます。

また、圧力下での凝固となる為、組織がより緻密になることも利点として挙げられます。 弊社の製作実績として、遠心力鋳造法の特徴を生かしたハースロール(熱処理炉内用ロール)があります。

3.遠心力鋳造法のメリットとデメリット

遠心力鋳造法は、精密鋳造法の一つで先に記載の通り、遠心力を活かすことで緻密な成形を行うことができます。その一方で万能な工法ではなく、形状における得意・不得意な点や気を付けるべきポイントなどもあります。そこで、遠心力鋳造法についてメリット、デメリットという観点で特徴をお伝えいたします。

3‐1.遠心力鋳造法のメリット

遠心力鋳造法は、円筒形状品・中空部品の製造に適した工法で、遠心力を活かした工法であるため、偏肉が少ない品質の良い製品の仕上がりが期待できます。さらに、凝固収縮を妨げるものがないため、鋳造時の残留応力が少ない点も、本工法の特長です。

また、金型に接する外面からの指向性凝固により鋳物において品質不良の原因となる巣や、異物嚙みを抑えた高品質な製品を成形できる点も本工法を選ぶメリットと言えます。

3‐2.遠心力鋳造法のデメリット

冷却時間が短いため、凝固の早い材料や肉厚が薄いパイプの製造に適しており複雑形状の鋳物の製造も可能で、水道管やガス管・軸受メタル・銀歯などの製造に用いられます。

一方で、すべての合金には適応されないものの、一部の合金では遠心力により偏析が発生したり、冷却直後に亀裂が発生することがあるなどのデメリットがあり、この点を考慮した冷却時間などの工夫がサプライヤーの力量とも言えます。

4.遠心力鋳造法で成形する製品の調達について

遠心力鋳造法の依頼はどこにすればよいか分からないといった時には、当社にご連絡ください。当社では、海外に複数のサプライヤーを持ち、お客様の要望に合わせ、QCDすべての点で最適な調達活動が出来る点に強みがあると考えています。

品質においては、工場の自主検査と現地に駐在している当社の現地社員による検査、また 必要であれば日本から当社社員が直接工場へ行き検査もしています。鋳物においては、巣や嚙みなど工法ならではの品質不良原因もありますが、当社ではこの点も押さえ、サプライヤー指導を行っていますので、ご安心ください。

価格面でも複数社へ見積依頼することで為替などの影響も考慮した適正価格での調達が可能となります。お困りの案件がありましたらお問い合わせください。 下記に当社が過去手掛けた製作品の一部をご紹介していきます。

5.遠心力鋳造法の製作実績をご紹介

1.ハースロール

本製品は、大型製缶加工・機械加工受託センター.comで手掛けたハースロールという製品です。鉄鋼業界の熱処理炉内用やCGL用のロールとして使用されています。本製品は、SUSシャフトと、パイプ・ハブで構成されています。パイプは、海外にて遠心力鋳造法にて製造し、そのほかの部品は切削加工で仕上げています。特徴としては、薄板鋼板の製造工程で使用され、金属表面の凹凸は抑えた構造が求められる為、面粗さRa3.2指定があり研磨仕上げを行っています。

>>>詳しくはこちら

2.圧延ガラス搬送ライン用ロール

材質:SUS310S 本製品は大型製缶加工・機械加工センター.comで手掛けたロールです。 圧延されたガラスを搬送するためのロールとして使用されています。

3.バランス測定

本製品は大型製缶加工・機械加工センター.comで手掛けたハースロールのバランス測定写真です。 測定機へ置いた際の静バランスと回転させたときの動バランスを測定しています。

4.ラジアントチューブ

写真の製品はU型ラジアントチューブという遠心鋳造管で無酸化雰囲気連続加熱炉の加熱手段として多く用いられるものです。材質にはSCH22(相当材)とSUS304材を使用しています。

※2枚の写真は同じ製品を『ヒーター固定側』からと『『先端側』から撮影したものです。

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