設備ユニット・部品 コストダウン調達センター

1.機械装置の架台・フレームに求められる構造上の特性

機械装置の架台やフレームは、装置全体の性能と安全性を左右する重要な要素です。そのため、コストダウンを検討する際にも、構造上の特性を十分に理解しておく必要があります。

まず、架台・フレームには、装置の重量を支え、動作時の振動や衝撃に耐えるための「強度」と「剛性」が求められます。強度が不足していると、架台やフレームが変形したり、破損したりする恐れがあり、装置の故障や事故につながる可能性があります。剛性が不足していると、装置の動作精度が低下したり、騒音や振動が発生したりする原因となります。

次に、架台・フレームには、装置の設置場所や使用環境に応じた「耐久性」が求められます。例えば、屋外で使用される装置の架台・フレームは、雨や風、紫外線などの影響を受けにくく、錆びにくい材料や表面処理が施されている必要があります。また、化学薬品を使用する環境で使用される装置の架台・フレームは、耐薬品性に優れた材料が使用されている必要があります。

さらに、架台・フレームには、装置のメンテナンスや運搬を容易にするための「機能性」が求められます。例えば、装置の部品交換や修理を行う際に、架台・フレームが邪魔にならないように、アクセスしやすい構造になっている必要があります。また、装置を移動させる際に、架台・フレームに持ち手やキャスターなどが取り付けられていると、作業効率が向上します。

これらの構造上の特性を考慮せずに、安易にコストダウンを進めてしまうと、装置の性能や安全性を損なうことになりかねません。そのため、架台・フレームのコストダウンを検討する際には、構造上の特性を十分に理解し、必要な性能を確保しながら、コストを削減する方法を検討する必要があります。

2.機械装置の架台・フレームの設計におけるポイント

機械装置の架台・フレームの設計は、コストダウン調達を実現するための重要な要素です。設計段階でコストダウンを意識することで、材料費や加工費を削減し、効率的な生産体制を構築することができます。

まず、架台・フレームの設計においては、使用する材料の選定が重要です。材料の価格は、種類やグレードによって大きく異なります。そのため、必要な強度や剛性を確保しながら、できるだけ安価な材料を選定することが、コストダウンにつながります。また、材料の歩留まりを向上させるために、標準化された材料を使用したり、材料の形状を最適化したりすることも有効です。

次に、架台・フレームの設計においては、加工方法の選定が重要です。加工方法によって、加工時間や加工コストが大きく異なります。そのため、必要な精度や品質を確保しながら、できるだけ安価な加工方法を選定することが、コストダウンにつながります。例えば、溶接や切削などの加工方法を、プレス加工や鋳造などの大量生産に適した加工方法に置き換えることで、加工コストを削減することができます。

さらに、架台・フレームの設計においては、部品点数の削減が重要です。部品点数を減らすことで、材料費や加工費だけでなく、組み立て費や管理費も削減することができます。例えば、複数の部品を一体化したり、標準化された部品を使用したりすることで、部品点数を減らすことができます。

また、架台・フレームの設計においては、設計の標準化も重要です。標準化された設計を使用することで、設計コストや製造コストを削減し、品質の安定化を図ることができます。例えば、標準化された部品やユニットを使用したり、標準化された設計ルールを適用したりすることで、設計の標準化を進めることができます。

これらの設計におけるポイントを考慮することで、架台・フレームのコストダウン調達を実現することができます。

3.機械装置の架台・フレームのコストダウン調達を実現するためのポイント

機械装置の架台・フレームのコストダウン調達を実現するためには、設計段階だけでなく、調達段階においても様々な取り組みが必要です。

まず、調達先の選定が重要です。調達先の選定においては、価格だけでなく、品質や納期、技術力なども考慮する必要があります。複数の調達先から見積もりを取り、比較検討することで、最適な調達先を選定することができます。また、長期的な視点で、調達先との信頼関係を構築することも重要です。

次に、調達方法の選定が重要です。調達方法によって、調達コストや調達リスクが異なります。例えば、一括購入や長期契約などの調達方法を検討することで、調達コストを削減することができます。また、サプライチェーン全体を最適化することで、調達リスクを低減することができます。

さらに、調達条件の交渉が重要です。調達条件の交渉においては、価格だけでなく、支払い条件や納期条件、品質保証条件なども交渉する必要があります。調達先との交渉を通じて、双方にとってメリットのある条件を合意することが重要です。

また、調達プロセスの改善も重要です。調達プロセスを改善することで、調達コストや調達時間を削減し、調達効率を向上させることができます。例えば、電子調達システムを導入したり、調達業務を標準化したりすることで、調達プロセスを改善することができます。

これらの調達段階における取り組みに加えて、設計段階で検討したコストダウン策を、調達段階で確実に実行することも重要です。設計部門と調達部門が連携し、情報共有や意見交換を行うことで、より効果的なコストダウン調達を実現することができます。

これらのポイントを踏まえ、架台・フレームのコストダウン調達に取り組むことで、企業の競争力強化に貢献することができます。

4.機械装置の架台・フレーム事例

1.コンベアフレーム(亜鉛メッキ品)

設備ユニット・部品 コストダウン調達センターで手掛けたベルトコンベア用フレームです。鉄鋼業界で使用するコンベアフレームで原材料の運搬に使用します。材料にSS400材を使用しているので、亜鉛メッキを施すことで防錆対策を行っています。当社では、海外のサプライヤーを活用した板金加工品・機械加工品の調達はもちろん、メッキ処理をはじめとする仕上げ工程の海外調達も可能です。

2.高精度テーブルベッド

本製品は、設備ユニット・部品 コストダウン調達センターで手掛けた機械装置のテーブルベッドで、H鋼・プレートを組み合わせて溶接で製造しています。本製品の仕様における特徴として機械装置のベースなどの役割を果たすために面出しを行っている点で、写真のテーブルベッドはすべて溶接での組み上げ後、大型の門型加工設備を使用して機械加工を行っています。